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――まずはこれまでの経歴を教えていただけますか。
新卒でインフラ系のSES企業に入社しました。社員がほぼインフラエンジニアというその企業で1年ほど勤め、23歳の時に最初の転職でクラウド案件が中心のSIerへ転職。そこで約3年経験を積み、26歳で2回目の転職活動をして自社サービスを提供する企業に内定をいただいたころです。
――20代で2回の転職をご経験されているのですね。新卒入社した1社目の会社はどのような理由で選ばれたのですか。
エンジニアになりたいと思い、新卒で就職活動している時から様々な企業を検討していました。開発か、インフラか、と考えた時にインフラのほうに興味があったんです。1社目の企業は、インフラが専門分野だったので選びました。
――インフラに興味を持ったきっかけがあったのですか?
開発とインフラで、興味に特別大きな差があったわけではないですが、自宅にWi-Fiや無線LANの環境があるじゃないですか。それを日常触る中で、通信環境などインフラって身近だと感じたことが理由になるかなと思います。
――ご自身が身近に感じる分野にエンジニアとして関わりたいと思われたんですね。1社目ではどのような業務をしていましたか?
3〜4ヶ月程度の短期間案件で主に金融系システムのインフラの保守・運用を担当していました。定常業務のほか、PCのキッティング作業をしていましたね。基本的に客先常駐で、フル出社で勤務していました。
また、新卒入社で研修期間だったのでネットワーク機器の実機を用いた研修を受けていました。
――1社目で転職に踏み切られたのは、どのような理由からでしたか?
1年目なので、まずは基礎知識を身につけたいと資格取得に注力し、在職中にCCNAやLPICレベル1など基礎的な資格をはじめ7つほど取得しました。
そんな中でAWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイトなどクラウド管理の資格取得を通してクラウドに対し関心を持つようになったんです。
さらに、会社の研修で実際にAWSに触ってサーバーを組み立てた時、本当に画面上でサーバーを立ち上げることができて、裏側の仕組みについて興味が湧き、そこからクラウド技術を専門とする企業で働きたいと転職を考えるようになりました。
――新卒入社した会社を1年で転職するのは勇気がいる決断だったと思いますが…
そうですね。自分でも転職はまだ早いかなと思ってはいましたし、周りの友人と比較しても最速で転職を考えている状況でした。
ただ、1社目にもクラウドの案件はあったのですが、オンプレミスで3〜4年ほど経験を積まないと参画できない感じだったんです。 自分としてはその期間が長く“待ち”の感覚になってしまったので、思い切って転職に踏み切ろうと思いました。
また、地方への長期出張が頻繁にあり、長く家を空けるため生活が安定しないと感じていたことも転職を考え始めた理由のひとつですね。
――1回目の転職ではどんなことを重視していましたか?
まだ経験も浅いのであまり高望みはせず、クラウドの案件に携われるかどうかを中心に転職エージェントを使って転職活動を開始しました。
――初めての転職活動はいかがでしたか?
10社ほど応募して、早い段階で2社内定をいただきました。1回目の転職は第2新卒の採用が活発な時期でタイミングが良かったこともありますが、うまくいったと感じています。結果、年収もアップして業務内容や働き方も希望が叶えられて満足できました。
経験は浅かったですが、資格取得していたことが評価につながり内定をいただけたのではないかと思います。
――初めての転職は順調だったのですね。2社目に入社を決めた理由は何でしたか?
Web系専門のSIerで、実は新卒の就職活動時にも検討していた企業だったんです。当時は募集期間が過ぎてしまい応募できなくて。中途採用の募集に応募することができて、年収100万円ほどアップなど待遇面でも申し分ない条件を提示していただけたので、決めました。
――年収100万円アップはすごいですね!2社目ではどのような業務をしていましたか?
クラウドのシステムを中心に展開していたので、私はエンタメ系企業のAWSの保守・運用や移行を担当しました。
入社後1年ほど経った頃にサブリーダーになり、3つのプロジェクトそれぞれの4〜5名のチームの管理業務が主になりました。お客様との定例のやり取りや、要件をチケットレベルに落とし込む作業、日常的に方針の提案やメンバーとの相談を行っていました。
エンジニアリングマネージャーをしつつ同時に手も動かしていましたね。パートナーさんからの疑問点を調査して打ち返すという業務も多くなっていきました。
――リーダーとしてご活躍されていたのですね。そこで、2回目の転職を考え始めたのはどのような経緯だったんでしょうか?
管理業務が増えたことによって、自分自身の技術力を伸ばすことに不安を感じたのが1番大きな理由になります。
パートナーさんに開発業務をほとんど依頼していて、私は調査やタスク管理の業務が多くを占める状況になっていました。まだ20代半ばなのに管理業務に全リソースを割くのはキャリア的にリスキーだと感じたんです。
――そうでしたか。具体的にはどのような点でリスキーだと思われたのでしょうか?
そうですね。クラウドを利用することによって表面的な知識だけでもうまくいってしまう 側面もあるのですが、実際にアーキテクチャレベルで構成を考えたり、トラブルシューティングを行ったりする時に、まだまだ知識不足だと感じることが多々ありました。
自分で手を動かして実際にアーキテクチャを組んで、動かしてみる経験が足りないと思いました。
――1回目の転職では長期出張など働き方も転職の理由とおっしゃっていましたが、2社目ではいかがでしたか?
月に40〜50時間の残業は多いかなと感じていました。日中は管理業務、残業時間でパートナーさんが処理しきれなかったタスクを社員が巻き取り対応するという働き方になっていたので、働き方は改善したいなという思いはありました。
――2社目は約3年間勤務されたとのことでしたが、転職活動はいつごろから始めたのですか?
転職を考え始めたのは、2年目と半年ぐらい経った時期ですね。業務が逼迫してきて、まだ頑張れるけれど結構きついなと思い始めて…。その後、本格的に転職活動を始め、転職活動の期間としては2ヶ月ほどになります。
――2回目の転職で重視されていたことは何でしょうか?
管理業務をいったん外れて、エンジニアとして基盤の構築や設計でしっかり手を動かせる環境に身を置けるか、ということを重視しました。また、働き方の面で残業時間を減らしたいと考えていました。
――Hさんの転職の軸は明確だったんですね。2回目の転職はどのように進めたのですか?
キッカケエージェントともう1社の転職エージェントを使って進めながら、自己応募も並行して行いました。
――キッカケエージェントはどのような経緯で知ったのでしょうか?
そうですね、2回目の転職をする2年ほど前からモローさんのXを見ていて、転職活動する機会があったら相談してみようと思っていました。
モローさんのXの投稿内容から、専門的な知見で市場価値を判断いただけそうとか、エンジニアに近い視点で相談に乗っていただけそうという印象があったんです。
1回目の転職で、他社の転職エージェントでエンジニア経験がない方やIT業界に精通していない方が担当になることがあったのですが、キッカケエージェントは幅広いIT企業の内部事情に詳しく、技術面についても知識が深い方が多いのではと感じました。本格的に転職活動を始めようと思ったタイミングで問い合わせをしました。
――Hさんにとって2回目の転職となった訳ですが、進み方はいかがでしたか?
2回目の転職活動は書類選考がなかなか通らず苦労しました。50社程度応募して、40社は書類選考で落ちてしまって。
自己応募で何社か応募して、キッカケエージェントで提示していただいた企業から40社ほど応募しました。もう1社のエージェントは少し特殊で、エージェントから応募書類を提出していただき、書類選考が通ったら連絡がくる形式だったので実際に何社応募したのかは定かではないのですが…。
1回目の転職の感触もあり、書類選考はもう少し通るかなと思っていたので、結構落ち込みましたね。
――1回目の転職は順調でしたから、落ち込んでしまいますよね。
はい、でも応募書類はタイミングとしてほぼ同時期に提出している状況だったので、この結果を踏まえ書類選考を通過した10社にフォーカスし、できることをやっていこうと気持ちを切り替えました。
自分の転職に対する温度感も、当時の会社から「絶対に転職したい」という訳でもなかったので、落ち込みはしましたが「自分に合う企業と巡り会えたら転職しようかな」と思えたんです。
――前向きに気持ちを切り替えて、次の選考に進んだのですね。面接はいかがでしたか?
キッカケエージェントで非常に手厚く面接対策をしていただきました。他社のエージェントでは、面接で気をつける点を電話でアドバイスしてもらうだけでしたが、キッカケエージェントでは、面接を受ける企業を想定したオンラインの擬似面接をモローさんに実施していただきました。
モローさんからフィードバックをいただき対策できたことで安心感がありましたし、場数を踏めたことも選考通過につながったと思います。
――擬似面接のフィードバックで気づいたことや印象に残ったことはありましたか?
最終的に擬似面接を5〜6回していただく中で、自分ではあまり意識していなかったのですが「伝え方が正直過ぎる」とアドバイスを受けたことが、新たな気づきでありがたかったですね。
例えば「IT業界でエンジニアになりたいと思ったきっかけは?」の質問に対して、先にお話した「Wi-Fiが身近だった」という話だけでは、企業側にとって原体験としては薄い印象になってしまうと指摘を受けました。エンジニアになった理由として「自分が頑張った分、成果に反映される」ことをさらに具体的に伝えたほうが、答えとして想いも伝わるとアドバイスをいただきました。
こういったことは、模擬面接を実践してみて初めてわかったことで、実際の面接でも役立ちました。
――2回目の転職活動の結果と、最終的に転職先企業に決めた理由について教えていただけますか?
自社開発企業3社とSES企業1社から内定をいただくことができました。入社したい会社を絞ったら2社どちらにするか迷ってしまって。
その時にキッカケエージェントで面談していただき、エンジニアは転職して市場価値を上げていくような職種であるという観点から企業選びのアドバイスをいただきました。その上で自分の軸に最も当てはまった自社開発企業に決めました。
――Hさんが決め手とした「軸」は何だったのですか?
エンジニアとして技術力を上げるために、企業が提供するシステム規模やシステム難易度は重視しました。将来的に市場価値を高め年収を上げることを目指すためにも、高トラフィックで、かつ運用の中でインフラエンジニアとして改善しがいがあるようなシステムを提供している企業はどちらなのか、を軸に選びました。
入社を決めた企業は、英会話のサービスを提供している自社開発企業でアクティブユーザーが多く、また、技術的負債が溜まっているというお話しを伺ったのでその改善にやりがいをを感じられそうなので、最終的に選びました。
――ご自身の軸を明確にして決断されたんですね。2回目の転職を振り返っていかがでしたか?
書類選考でたくさん落ちてしまった時は落ち込みましたが、結果的に内定を複数いただけましたし、転職活動自体が辛いということはなかったですね。
その理由として「転職できなくても現職を続ければいいや」と思っていたことが大きいかもしれません。
――気持ち的に余裕をもって転職活動されていたんですね。
当時は、残業時間も多く仕事と就職活動の兼ね合いが難しかったですが、2ヶ月程度活動を続ければ何かしらの結果は出ますし、そこでどうするか決められると思えたので、仕事を続けながらでも転職活動できたと思います。
「すぐにでも仕事を辞めたい」という状況で転職を決める方もいらっしゃると思いますが、そうなる前に転職活動を始めるべきなのかなと感じています。気持ちに余裕を持った状態で転職活動をすることで冷静な判断もできますから。
転職活動するデメリットはほぼないと思いますし、内定が出ても転職に魅力を感じなければ転職しないという選択を取れるので、早めに手を打っていくのが大事かなと思います。
――転職を迷っているより、始めてみて見えることもありますよね。ただ、行動に移すのは難しいですが、Hさんは行動力がありますよね!
私の場合は、1回目の転職で自分に合った企業に入社できましたが、それでも3年ほど経って自分にとって働きやすい企業は他にもあるのではと感じ、2回目の転職では「1回探してみよう」という感覚で転職活動を始めました。
3年に1回は自分の経験やスキルを棚卸しして、応募書類を提出してみることも市場価値の確認になると思うんです。私は募集要項を見るのが結構好きなんですが、どのような経験やスキルが求められているのか見えますし、それを意識して日々の業務に取り組むこともできます。
――入社まではどのように過ごされる予定ですか?
入社までに、あまり触ったことがない技術のキャッチアップをしたり、AWSのイベントが海外であるので、それを見たりしたいと思います。
あとは、好きなゲームをしてゆっくり過ごす時間も持ちたいですね。
――最後に、エンジニアとして今後チャレンジしたいことや目標を教えていただけますか?
入社後は希望していた自社サービスの開発に携われるので、 SIerにはないスピード感で業務を進めることができると期待しています。ユーザー体験の向上やインフラ面の課題解決に注力していきたいと思っています。
キッカケエージェントはIT人材・エンジニア特化の転職エージェントです。最新のIT転職市場に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。
今すぐの転職でなくても、キャリアの棚卸しや現職の悩み相談も受付けております。他社エージェントをお使いいただいていて疑問を抱いている方も相談ベースでお話しできますので、是非無料の個別キャリア相談会にお申し込みください。
今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、
①技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
②興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方
上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。
最近はお住まいの場所に限らず応募ができる企業や経験年数に関係なくフラットにご評価をして下さる企業も増えているため、ぜひ一度モロー宛てにご相談を頂けますと幸いです。