今回は、大手クラウドインテグレーターのインフラエンジニアから自社開発企業のSRE(※)として転職が決まったトラキジさんにインタビューをしました。インフラエンジニアのキャリア選択として今大注目のSRE。トラキジさんのこれまでのご経歴やSREの道を歩もうと思ったキッカケ、転職活動時の戦略など、たっぷりお話しいただきました。
(※)SRE…Googleが提唱したシステム管理とサービス運用に対するアプローチのことで、インフラ系の業務に留まらず、システム運用の最適化を考慮した幅広いスキルが求められる。
本記事は以下の動画をもとに執筆しております。以下の動画も是非一緒にご参照ください。
▼前半「実務経験ゼロからSREになるには?」
▼後半「資格取得で希望年収を上回りました」
目次
トラキジさん:インフラメインだったので今後のキャリアを考えたときに、その経験だけだと厳しいのではないかと考えたのが1つになります。インフラもやりつつ、今後は開発やデータベース周りまで幅広くやってみたいと考え、それが現職だと難しいと感じ転職を考え始めました。
毛呂:企業を選ぶ際にはどのような点を見ていましたか?
トラキジさん:1つ目はSREとして、開発とインフラが両方できるようなキャリアがかなえられるかをポイントとして見ていました。2つ目は働き方の部分で、内定いただいた会社は、そこがかなりクリアできていたところでした。3つ目がカルチャーフィットになりますが「一緒に働きたいと思えるかどうか」を一番重要視していました。
毛呂:スキルが高い人が集まる環境こそ、人としての相性は気になるポイントになってきますよね。
トラキジさん:そうですね。今のまま受託でもインフラ・開発両方できる会社はあるとは思うのですが、割合としては自社開発の方が給料が高いのではないかと思って目指していました。また、シンプルに現職が受託なので自社開発の会社で働いてみたかったという気持ちもありました。
毛呂:SREでよく見られるのが「開発経験があるか」という部分だと思いますが、その開発経験は実務で元々積んでいたのでしょうか?
トラキジさん:開発経験は実務でほぼ積んでいませんでした。ただ、今後SREを視野に入れると必要になってくると思うので、自己学習程度に行っていました。
トラキジさん:新卒で大手事業会社のバックオフィス部門に入社しました。ただ、元々エンジニアになるか、バックオフィスで働くかの2軸で迷っていたこともあり、仕事で実際に使っていたバックオフィスサービスの仕組みに興味を持ち始めてからプログラミングの自己学習を始めました。
やってみて面白さを感じたところからエンジニアを目指すようになり、SES企業にインフラエンジニアとして転職しました。そこでは研修を受けた後に派遣社員として案件に参画して、AWS環境でインフラエンジニアとして業務を行っていました。
3社目である現職はクラウドインテグレーターでして、SESの時にクラウドインフラに触れているうちに身を入れてやりたい気持ちが強くなり、資格をある程度取ってから入社しました。
毛呂:IT業界に入るキッカケになったSESの企業選びもかなり良かったのかと思います。企業選びでこだわった点や、逆にこういう企業は選択肢から外していたなどはありましたか?
トラキジさん:未経験で入社することを前提で選んでいましたので「よい経験が積めるかどうか」をすごく重視していました。具体的には未経験からインフラだと運用・監視のポジションに入ることが多いと思いますが、その先のキャリアパスで設計・構築にも携われるかどうかを基準にしていました。その点、前職のSESは魅力的な部分が多かったですね。あとは条件面に関しても未経験に対しては十分な金額だったところもよかったです。
毛呂:条件が良かったということですが、当時、どういった理由でSES企業から内定を頂くことができたとお考えですか?
トラキジさん:覚えている範囲で言うと、人柄に加えて「自己学習できるエンジンを積んでいるか」と「なぜエンジニアとして活躍したいのか」を見られていたと思います。
毛呂:自ら学ぶ意識を後発的に身に着けることは非常に難しい分、トラキジさんは評価が高かったんでしょうね。
トラキジさん:毛呂さんを知ったのは私がエンジニアになる前なので、3年ほど前ですかね。
毛呂:結構前から知ってくださっていたのですね…!
トラキジさん:そうですね(笑)SNSで知っていて、当時は未経験だったので「キャリア相談はできないかな?」と思っていたんですが、発信内容が参考になりそうだと感じていたので、現職から次の会社に転職する際は相談しようと思っていました。
毛呂:ありがとうございます。3年前だと私の他にもエンジニア関連の発信をしているインフルエンサーがいたかと思いますが、私に相談してくれた理由を是非伺いたいです。
トラキジさん:自分が未経験だった頃は、有名なインフルエンサーの発信内容が正しい内容かどうかがわからず、色々参考にしていた部分もありました。
ただ、いざエンジニアになってみると情報が事実かどうかの判断が分かれるような発信内容もあるなと感じたのが正直なところですね。
そのうえで、今回相談したいと思った背景としては、SNSを見ていて率直に「毛呂さん仕事できそうだなぁ、年収交渉も企業とのやりとりもうまくやってくれそう」という印象を持ち、今回お世話になりたいと思いました。
毛呂:そんな風に見てくださっていたのですね。今後も発信活動頑張ります!
トラキジさん:1つ目が書類の添削をしてもらえるところですね。例えば経歴書って長すぎても短すぎてもダメだと思いますが、相手に伝わる適切な文章量を一緒に考えていただけました。
2つ目が、何か不安なことがあれば随時LINEで対応頂きましたので、選考の進め方などをチャットベースで気軽に伝えられるところが良かったです。
毛呂:そこが実は狙いで、返信が気軽にできるように、弊社ではLINEやSlackなど候補者様が使いやすい連絡手段を選んでいただいてます。
トラキジさん:正直、最初はコミュニケーションツールがLINEだったことに非常に驚きました。LINEだとプライベートと混ざりやすかったり、そもそも、なんとなく怪しいと言いますか…(笑)
毛呂:そうですよね… 他のエージェントだと、相談者専用のログインページがありつつ、メールや電話で連絡を取るシステムが多いですしね。
トラキジさん:ただ、実際に使ってみたら、LINEのみで連絡が完結できるのは非常に便利でした。自分が思ったことをすぐメッセージで送信できますし、自己応募の場合だとしっかりとした文章を毎回考えるのが手間だったりしますので、自分には合っていました!
キッカケエージェントの方にはLINEでラフに連絡できて、かつ応募の部分は代行してもらえるので、転職活動におけるコミュニケーションの工数を減らせたことがすごく良かったと思います。
トラキジさん:3つあって、「キャリアを広げられるか」「一緒に働く人やプロダクトが魅力的かどうか」「年収などの希望条件を満たしているかどうか」を重視していました。
毛呂:選考時に受けていた企業の数や内定数はいかがでしたか?
トラキジさん:書類選考に応募した会社でいうと23社ぐらいです。ただ中には書類が通るかどうかチャレンジで出した会社もあるので、実際に行きたい会社で絞ると15社ぐらいになりますね。選考途中で3社ほど辞退しましたが、結果的には内定を4社から頂きました。
毛呂:弊社のデータでは11社応募して1内定が平均なので、4社から内定が出るのは本当に素晴らしい結果だと思います。
トラキジさん:内訳として3社が自社サービス、1社が受託サービスの合計4社から内定をいただき、いずれも今後積みたいキャリアを満たせそうで、かつ年収面などの条件も希望を上回っていました。
そのため、最後に強い決め手としていたのが働く人、プロダクトも含めて魅力だと思えるかを重要視していましたね。そう考えると「ここの1社だな」と思い、内定を承諾しました。
毛呂:今回選ばれた企業は、いわゆるバックオフィスの効率化を進めるプロダクトを扱っていますが、1社目にバックオフィスの業務をやっていたことが影響していたりするのでしょうか?
トラキジさん:確かに言われてみれば繋がりがありますね。このことに限らずなんですが、元々私が色んなことに興味があるので、出されているプロダクトが革新的で興味深いなと感じたところが大きいかなと思います。
トラキジさん:技術面接を課す企業さんが多かったので、そこを突破できるかが自分の中で不安がありました。実際に受けてみてやはり内容が難しかったので、技術試験は難関だなと感じていました。
他にも、とあるメガベンチャーでは技術試験は通ったものの、二次面接でカルチャーフィットを想像以上に深堀され、事前に準備はしましたが落ちてしまった経験もあります。
トラキジさん:1社だけ620万円でしたが、それ以外は670万円ぐらいでご提示いただきました。
毛呂:すごいなと思うのが、クラウドインテグレーターで設計・構築をしていたところから、自社サービスのSREって業務内容に結構違いがありますよね。そこで年収が100万円ほど上がったというのは大きかったのかなと思っていて、年収が上がった要因はどのあたりにあったと考えますか?
トラキジさん:提示年収がここまで上がったのは、キッカケさんに年収交渉していただいたおかげかなと…(笑)
毛呂:いえいえとんでもないです(笑)
トラキジさん:仮に自己応募で年収交渉をするとなると、そもそもできるのかなってところは不安でした。
毛呂:トラキジさんの中で、高めの年収を狙えるようにアピールしていたことや気を付けていたことなどは何かありますか?
トラキジさん:好きでやっていたことにはなるんですが、資格を取ったりブログを書いたりしていたことですかね。あとは、自己学習として個人開発もしていました。当時、開発経験がほとんどない中で「SREをやりたいです」と言っても無理があるなと感じていましたし、自分でまずチャレンジしてみてから、本当にSREに進むかどうかを判断したかったので、個人開発で経験を積んでいました。
トラキジさん:インフラだけではなく、開発面やデータベースも含めて全部やってみたいですね。あとはエンジニアであってもビジネス的な観点がすごく求められるので、そういった働き方にも挑戦していきたいです。
中長期的なところでいうと、PdMにも興味があるので、SREとして経験を積んだ後はプロダクトの方向性を考えるような仕事は面白そうだと思っています。
トラキジさん:インフラエンジニアの経験が1~2年ほどで、クラウドが未経験の方におすすめしたいのが、アソシエイトレベルでもいいので「資格を短期間で取る」ことです。
「短期間で」というのがポイントで、技術のキャッチアップが早いことをアピールすることにつながってくるかなと思っています。
また、手を動かせるアピールとしてアウトプットを作っておくこともおすすめですね。例えばジュニア寄りの方であれば、Udemyや書籍で、いわゆるWeb三層構造をクラウド上で構築(構成図の作成も含め)した後に、資格試験を受けてみるなど、インプットとアウトプットをバランスよく進めるのがいいと思います。
トラキジさん:ビジネス視点を持ちながらプロダクトのことも考えつつSREとして仕事をしていけたらと考えています。
また、インフラだけじゃなくて開発もばっちりできるようになって、会社に貢献できればいいなと思います。
今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、
①技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
②興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方
上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。
最近はお住まいの場所に限らず応募ができる企業や経験年数に関係なくフラットにご評価をして下さる企業も増えているため、ぜひ一度モロー宛てにご相談を頂けますと幸いです。