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SESから転職する最適なタイミングは?年数との関係や成功のポイントを紹介

現在または将来的にSESから転職を考えているが、何年で、どのタイミングで動いたらよいか分からないという人も多いのではないでしょうか。本記事では、SESエンジニアにとっての最適な転職タイミングについて考察していきます。経験年数に応じた動き方のパターン例や、現状に不満がある場合の思考整理のポイントなども紹介していきますので、参考にしてみてください。

社内SEへの転職のしやすさと難易度

エンジニアの平均勤続年数

大手就職メディアのマイナビが、3万社以上の企業から集計した「業界別で見る働き方データ」によると、「ソフトウェア情報処理ネット関連」の平均勤続年数は11.5年となっています。全業界平均の13.4年よりやや短いですが、「コンサルティング・シンクタンク・調査」や「マスコミ(出版・広告)」よりは長いです。

引用:業界別で見る働き方データ

業態がSESの会社を対象にした調査結果は入手できませんでしたが、おそらく平均勤続年数は業界の平均よりも短いはずです。SESは多くが中小企業なので、大手企業よりも人材定着率は低めと考えられます。また、SESエンジニアは小刻みに案件を移っていくことが特徴のため、短い間隔で転職を繰り返しスキルアップしていく人も多いといえます。

引用:【管理職統計2024】中小企業の課題が浮き彫りに―勤続年数の差が示すキャリアの流動性と次世代育成の必要性

3年以内離職率

政府が2020年3月に卒業した学生を対象に2023年に実施した統計(※1)によると、「情報通信業」の3年以内離職率は29%でした。これは全業界平均より低い数値です。しかし、IT人材の早期離職が増加したと感じる担当者も多く(※2)、採用のミスマッチや人材の定着に課題がある状況です。

引用:※1 厚生労働省「新規学卒者の事業所規模別・産業別離職状況」

引用:※2 IT人材の早期離職が「増加した」と約4割の採用担当者が回答、 AI活用によるミスマッチ防止も – レバテック|エンジニア&クリエイターの採用情報サイト

経験1年でも大丈夫?SESからの転職に最適な年数はある?

いつでも大丈夫!年数問わず動いてOK

SESからの転職は年数や年齢を問わず、いつでも動き始めて大丈夫です。ITエンジニアにとって年数や年齢よりも大事なことは、転職動機に見合ったスキルと実績です。キャリア形成は人それぞれなので、一律に何年以下はダメ、何歳以上はダメということはありません。

厚生労働省が実施した「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」によると、中途採用で「在籍年数」を重視すると答えた企業はわずか1.2%でした。対して、「スキル」と「経験・成果」を重視する企業は合わせて80%超にのぼります。ダラダラ1つの会社に居続けても有利にはならないことがわかります。

引用:IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業

年数別転職パターン例!主な動機とメリット

転職動機に見合ったスキルと実績について、あくまでも例になりますが、経験年数別にまとめてみました。20代前半から半ばでSES企業にエンジニアとして新卒入社したというパターンを想定しています。

1年未満の場合

動機悪質な会社に入ってしまった場合
経験研修でのアウトプット、入門資格の取得
メリット第二新卒需要を狙う。ポテンシャル重視で異業種へチャレンジする

前提として短期離職扱いされるのと、実績が乏しいため不利な面はありますが、少しでも資格を取得するなど、やる気や自分の長所をアピールして臨みたいところです。

1~2年の場合

動機会社選びを間違えた場合の再スタート、エンジニアとしての方向性の軌道修正
経験ビジネスマナーなど社会人スキル、現場でメンバーとして活躍
メリット1年間でも実績とスキルをアピール可能、若さとポテンシャルも武器になる

SESの案件に入りエンジニアデビューを果たしたという経験が大きいです。周りのエンジニアに刺激を受け、より成長できる環境へ転職するチャンスです。

2~3年の場合

動機スキル/経験/資格と年収のバランス構築から設計、メンバーからリーダーへ、自社開発企業やメガベンチャーへの挑戦
経験自発的な行動、複数言語の経験、詳細設計~開発、サブリーダー
メリット即戦力かつ若手とみなされる。「実務経験3年以上」条件を狙える

実務経験3年以上を要求する条件の求人が多いので、選択肢がぐっと増えます。自分が身につけたスキルや実績をアピールして憧れの会社にチャレンジしたり、年収アップを狙ったりすることができます。

3~5年の場合

動機マネジメント経験を積みたい、大きなプロジェクトに関わりたい大手SIer、外資系企業への挑戦
経験基本設計、要件定義、PG→SE、現場リーダー、顧客との折衝
メリット完全即戦力とみなされ、マネージャークラスも狙える

3年を超えるとポテンシャルより経験スキルが重視され、上流工程までこなせる力が試されるでしょう。リーダー経験などの実績を活かし、大手企業にチャレンジするのもありです。

6年以上の場合

動機培った経験とスキルを他に還元する
経験プロジェクト管理、見積、人員アサイン、教育
メリットマネジメント経験や業界経験を活かせる

プロジェクト管理、部下の教育などの経験やマネジメントスキルが重視されるほか、特定の業界に強みを持っている点も重宝されます。長年の実績をアピールすることで、40代、50代でもチャンスはあります。

当てはまったら転職活動するべき!オススメの転職タイミング!

当てはまったら転職活動するべき!オススメの転職タイミング!

転職するからには仕事のレベルも年収もアップさせたいものです。SESエンジニアが飛躍するチャンスとなるタイミングはどんな時に訪れるのでしょうか? オススメの時期を4つほど紹介します。

新しい領域へのチャレンジ意欲が湧いている

自分の中でやってみたい仕事、転職したい会社が見つかり、チャレンジしたいという気持ちが強くなっているときはチャンスです。前向きなモチベーションは採用する側にも好印象を与えるでしょう。

もちろん意気込みだけでは選考を通らないので、自身の実績やスキルを棚卸ししたうえで、それが転職先に見合うかどうか、どうアピールできるかが成功のカギになります。意欲が衰える前に動き出したいところです。

一通り経験を積めた

様々な下請け案件にアサインされるSESでは、残念なことにあまりスキルがつかないような業務内容の現場も存在します。そんななか、たとえばプライム案件でプロジェクトの初期段階からリリースまで開発を任せてもらえた、最新の技術が身につけられた、といったような経験を積めたとしたら、それは転職するうえで大いに有利な材料となります。

同じ会社で次の経験を積むのもいいですが、大手企業や自社開発企業にチャレンジする絶好のタイミングでもあるでしょう。

会社で目指す人がいなくなった

入社当初は先輩の技術力に憧れ、仕事も難しいと感じていたものの、最近は仕事が楽にできるようになって物足りない、先輩にも憧れを感じなくなったということであれば、転職を考えてみてもいいかもしれません。自身がスキルアップした証です。そのまま楽な仕事を続けるよりは、違う環境に身を置いて、少し難しい仕事に挑戦した方がよいでしょう。

SESの場合は社内でも案件を変えられますが、自社内で目指す人がいなくなったイコール、それ以上レベルの高い案件がないということですから、会社を変えた方がいいです。転職して更なる年収増も見込めます。

プロジェクトのエンドが見えてきた

SESエンジニアはプロジェクトの一翼を担う技術者として客先の現場にアサインされ、プロジェクトが終わると次に移るというサイクルを繰り返します。途中で辞めると顧客に対してもSES企業にとっても迷惑になるので、プロジェクトの終了に合わせて転職するのが、印象の良いタイミングといえます。

プロジェクトのエンドが近付くと自社の次の案件を打診されると思いますが、魅力がなかったら転職する良いきっかけになるでしょう。

転職を早まらない方がいい?SESが抱く現場への不満対処法

転職を早まらない方がいい?SESが抱く現場への不満対処法

現状に不満があるので会社を変えたいというネガティブな動機が転職の主な要因です。しかしこのような場合、衝動的に動くのは避けた方がいいでしょう。現場を変えられるというSESならではのメリットも利用し、まずは解決策を探り、タイミングを見極めることが大切になります。

人間関係

周囲にどうしても合わない人がいると、仕事は辛くなります。それが現場、客先での問題だったら、常駐先を変更してもらうよう会社に相談しましょう。リモートワークを増やしてもらう、というのも手です。 一方、応じてくれない場合や、そもそも相談に乗ってくれない場合は転職を検討しましょう。

なお、従業員100人未満の中小企業で、もし社長、役員と反りが合わないのであれば、迷わず転職するべきです。小さい組織の場合、ほぼ社長が会社そのものといってもいいので、経営陣の理念や方針に賛同できないなら組織を離れるのがセオリーといえます。

給与・待遇

報酬に不満がある場合、まずはSESの業界構造、仕組みを理解し、自分のスキルと自社の立場、案件、単価、報酬の関係を整理してみましょう。自社のなかで高単価案件にシフトできれば給与が上がる場合もあるので交渉してみるのも手です。

また、単に高報酬を羨ましがるのは短絡的です。報酬が少し低くても、上流工程に携われる等のやり甲斐がある仕事であれば、多少我慢しても続けた方が今後のキャリアに有利に働きます。もし会社が不当にマージンを搾取している、自社には低単価でスキルがつかない案件しかない、というのであれば転職を考えましょう。

激務・残業

定時に帰れない、残業が多いという悩みを抱えている場合も、その理由を整理して解決することが先決です。どのプロジェクトにも、多かれ少なかれ繁忙期はあります。開発現場であればリリース間近、運用保守であればシステム障害の発生時などです。

一時的ではなく恒常的に残業が続いている場合ですが、自分のスキルの問題という可能性もあります。やや難しい仕事を任されているならば、それは成長につながるともいえるので、今は一時的に辛くてもその現場で頑張る価値はあります。そうではなくプロジェクトの体質的に残業を当然とする現場であれば、会社に常駐先の変更を訴えてみましょう。会社が儲けるために見積りよりも少人数で案件を回している、営業の立場が弱く現場の言いなりになっている等の事実が分かれば、転職するべきといえます。

SESの風評

そもそもSESからは早めに脱出しないといけないので転職が必要と思っている方もいるかもしれません。ネット上にはSES=ブラック、早く抜けるべき、と書かれている記事も目につきます。

しかし、SESにもメリットはあります。SESだからスキルが付かない、良い実績が積めないといったことはありません。むしろ受託開発では経験できないプロジェクトや技術に出会える可能性もあります。自分のキャリアと方向性を考えて、なぜSESから転職したいのか、動機と現状の問題点を掘り下げてから動き始めるようにしましょう。

まとめ

SESから転職する際に、年数や年齢は関係ありません。転職動機に見合った企業からスキルと経験が評価されれば転職は成功するでしょう。本記事で紹介したオススメの転職タイミングを参考に、ステップアップに踏み出してみてはいかがでしょうか。

もし自分1人でキャリアの棚卸しや目標設定、転職動機の深掘りなどが難しい場合は、専門家のアドバイスを仰ぐのがよいでしょう。キッカケエージェントでは、エンジニアに特化した専門コンサルタントが親身に転職をサポートしますので、お気軽に相談ください。

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今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、

①技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
②興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方

上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。

最近はお住まいの場所に限らず応募ができる企業や経験年数に関係なくフラットにご評価をして下さる企業も増えているため、ぜひ一度モロー宛てにご相談を頂けますと幸いです。

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