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ITコンサルタントへの転職はいつがベスト?タイミングやメリット・デメリットを紹介

転職ノウハウ

エンジニアの転職の選択肢として、仕事のやりがいや収入アップを求めてITコンサルタントを選ぶ方もいるでしょう。

しかし、エンジニア経験をどのぐらい積んでから、ITコンサルタントに転職したらいいのか、自分がITコンサルタントの仕事に向いているかなど、悩ましい点もあると思います。

そこで本記事では、ITコンサルタントへの転職に関する現状や、転職のベストタイミング、メリットやデメリットを解説しますので、ITコンサルタントへの転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

▼参考動画

ITコンサルタントとは?

ITコンサルタントとは、クライアント企業の業績を向上させるために、経営戦略をヒアリングし、IT技術を活用して経営や業務の改善につなげ、企業の経営課題を解決する専門家です。

IT投資計画の策定やシステムの設計・企画・開発、システム導入支援、時にはクライアント企業の業務変革のサポートまで、仕事内容は多岐にわたります。

ITコンサルタントは、クライアント企業の視点に立ち、経営課題を把握する必要があります。そのため、ITの知識だけでなく、クライアント企業の業界や事業、経営戦略を理解する総合的な力が求められます。経営層への提案、時には説得に必要なコミュニケーション能力、論理的思考力も必要です。

ITコンサルタントを積極採用する理由

現在、ITを活用して事業・サービスの成長やダイナミックなコスト削減、業務効率化などを推進できる、いわゆるIT人材が不足しています。経済産業省の推計では、IT関連産業のIT人材は2019年をピークに減少し、2030年には40万~80万人の規模で不足すると試算されています。

IT人材の高齢化が予測され、ITニーズの増加に伴う需給ギャップがこの状況に拍車をかけていると考えられているのです。

参考:経済産業省「IT人材育成の状況等について」

このような背景から、コンサルティングファームも積極的にITコンサルタントの採用活動を行っていますが、特に以下のような理由も挙げられます。

・コンサルティングファームのビジネスモデル
・DX推進の流れ

詳しく解説していきます。

コンサルティングファームのビジネスモデル

1つ目は、コンサルティングファームはITコンサルタントの人数が多ければ多いほど売上が立ち利益が出るというビジネスモデルであり、社員数が増えたところで所属企業にとってそれほどリスクが大きくないモデルだからです。

ITコンサルタントは、言われたとおりに設計・開発を行うエンジニアの仕事とは異なり、事業・サービスの成長やコスト削減、業務効率化に直結する仕事を担当することが多いです。

例えばシステムを導入したときに得られるコスト面でのメリット、業務効率化という観点でどのくらいのインパクトがあるのかといった点を考慮したうえで、クライアント企業が自社のビジネスにおいてかなえたい内容をヒアリングすることが仕事の一つです。

コンサルティングファームの場合、一人ひとりがITコンサルタントとして高い単価でプロジェクトに参画するため、社員数が拡大しても、ビジネスモデルとしてデメリットがないと言えます。そのため、積極的な採用を行っているのです。

DX推進の流れ

2つ目は、ビジネスの流れが以前にも増して早くなる中で、ITを利用して自社の事業やサービスをさらに拡大したい企業が増え続けている背景があります。DXを推進するにあたり、ITについて専門的な知見のある人材を採用したい需要は増え続けています。

特に、非ITの事業会社などでは昨今プロジェクトマネージャーやエンジニアを積極採用していますが、自社だけでは採用が追いつかないため、コンサルティングファームに支援を依頼することが多い現状です。

このような状況下でも、お客様からの需要はひっきりなしにあるため、プロジェクトの企画やマネジメント、リーダーができる人材の採用を強化したいというコンサルティングファームが数多くあります。

ITコンサルタントへの転職は20代〜30代前半がおすすめ

このように、コンサルティングファームが採用を強化するなかで、おすすめの転職アプローチは、できるだけ20代〜30代前半にコンサルティングファームへの転職に挑戦することです。なぜおすすめなのかを以下に紹介します。

若いうちにITコンサルタントの働き方を経験できる

「ITコンサルタントはハードワーク」という点は、2023年現在においては必ずしも正しいとは言えません。昔に比べるとワークライフバランスを一定以上に確保しやすいコンサルティングファームもいくつか出てきていますし、業界最大手のコンサルティングファームを含めて、月45時間以内に残業時間をおさめるように厳しく働く時間をコントロールする企業も増えてきました。

ただし、エンジニアからITコンサルタントにチャレンジする場合、顧客折衝のスキルなどは入社してから自ら学ぶ姿勢が必要になります。

顧客折衝のスキルとは、例えば、

・クライアント企業の社長・役員・部長などへプロジェクトの状況をわかりやすく説明する

・クライアント企業が目指しているビジネス上のゴールに対して今の現状と今後取り組まなければならないことについてプレゼンテーションした上で、クライアント企業との合意点を探る

といった仕事も含まれます。

また、クライアント企業にわかりやすい説明をするには、Power Point等による説明資料やドキュメントをシンプルかつわかりやすい表現で作成することも求められます。

特に、クライアント企業がITについてそれほど詳しくない場合、より高い説明スキルを求められることも考えられます。

これらのスキルを身につけることで、コンサルティングファームでは初めて一人前のコンサルタントとして活躍できるため、入社してから自ら学んでいく姿勢と行動力が強く求められます。
故に、キャッチアップがしやすく、自分自身で働き方をコントロールしやすい20代~30代前半でチャレンジすることをおすすめします。

35歳以上になると採用基準が厳しくなる

35歳以上でITコンサルタントに転職する場合、コンサルティングファームの採用基準が厳しくなる傾向があります。

具体的によくあるケースとしては、初めてコンサルティングファームに挑戦する人で、年収800万〜1000万円程度を希望する人は少なくありませんが、この希望年収はコンサルティングファームにおけるシニアコンサルタント〜マネージャー手前くらいの職位にて想定されることが多い年収です。つまり35歳以上でこの年収を希望する場合は前述した顧客折衝スキルや説明資料・ドキュメント作成スキルが一通り備わっているだけでは十分とは言えません。

多くの場合、35歳以上の求職者に求められる前職のキャリアとして重視されるのは、中小企業でも構わないので部長クラス、少なくとも課長やマネージャーとして、マネジメント経験があるかどうかです。

つまり一人のコンサルタントとして成果を上げられることは当たり前で、それに加えてマネジメントするチームのメンバーが成果を出すことをチーム全体の視点で求められることが多くなってきます。

ただ、実際にはここまでの成果を上げることは簡単ではないため、多くの人にとっては20代〜30代前半までにコンサルティングファームで働く経験をした方が、中長期のキャリアパスで考えた時に適切な選択肢となりやすいでしょう。
多くのコンサルティングファームの選考において、求職者の年齢が上がるほど前職での実績や経験を問われる上、どのくらいの期間でどのくらい大きな成果を出せるのかを質問されることが多いです。これらの理由から20代〜30代前半の方のほうがチャレンジしやすいと言えるでしょう。

ITコンサルタントに向いている人

ITコンサルタントへの転職は20代〜30代前半がおすすめである理由を解説しました。それでは、ITコンサルタントに向いているのはどのような人でしょうか。

年収アップを目指したい人

ITエンジニアへの転職により年収がどのくらい上がるのかと言うと、エンジニアとして2〜3年開発経験がある方がITコンサルタントへ転職する場合、年収で150万〜200万円上がるケースはよくあります。

よくある年収モデルについて説明すると、新卒クラス(教育やサポートを必要とする人などを想定しています)のアナリストの職位だとおよそ年収450万〜500万円くらいのスタートになることが多いです。

また、アクセンチュア・BIG4など有名なコンサルティングファームにおいてはアナリストの職位でも年収500万円を超える会社は一定数あります。

中途採用の場合は、アナリストより上の職位のコンサルタント〜シニアコンサルタントを想定した採用が多いかと思います。このポジションになると、低くても年収500万円前後、実際には年収レンジで600万〜800万円の間での提示が多くなります。
年収アップの一例をお伝えすると、開発経験が2〜3年の方が転職をすると、年収400万〜450万円から500万〜700万円くらい(幅はありますが)の年収を提示されるのがよくあるパターンです。

自分でビジネスを作りたい人

事業会社のエンジニアであっても、社長や役員、営業担当などのビジネスサイドの意向が強めに働く会社だと、指示に従って設計、開発だけを行うというケースが少なからずあります。

そうではなく、自分自身がビジネスを作る、より本質的な観点で仕事に携わりたい、という方はITコンサルタントが向いていると言えるでしょう。

エンジニアとして設計開発をしている場合と比べ、ITコンサルタントはお客様と直接話すチャンスが増えるだけでなく、事業やビジネスの成長により大きな影響力を及ぼす提案がしやすい立場です。

具体的には、社長や役員、部長クラスの方々から事業やシステムの課題についてヒアリングしたり、改善するための提案をしたりすることが多いため、必然的にプレゼンテーションスキルやわかりやすく説明するスキルが上がります。

そのためITコンサルタントの選択肢を選ぶことで、ビジネスや事業の本質を意識しながら高いスキルや知識を身につけキャリアアップし、自分自身の市場価値を上げることができるでしょう。

転職によってキャリアの選択肢が広がるのがメリット

エンジニアがITコンサルタントへ転職し、キャリアを積んだ場合、その後のキャリアの選択肢が大きく広がることがメリットです。

選択肢として以下の4つが挙げられます。

①他のコンサルティングファームへ転職する
②役員や部長クラスで事業会社へ転職する
③フリーランスや業務委託で独立する
④起業する

①他のコンサルティングファームへ転職する

ITコンサルタントとして、別のコンサルティングファームに転職する場合でも、年収アップできるケースは多いでしょう。50万〜100万円の年収アップ、場合によっては150万円以上の年収アップで転職できる場合もあります。

ITコンサルタントとしてキャリアアップするうえで重要なポイントは、まずは入社したコンサルティングファームで2〜3年経験を積み、ワンランクでもよいので職位と年収を上げて、活躍した実績を作ることです。
転職に際して、前職が「BIG4」やアクセンチュアのような知名度の高いコンサルティングファームなのか、または、独立系のコンサルティングファームなのか、ということは実はあまり重要視されていません。

つまり、ITコンサルタントのキャリアでは、所属していた会社の規模や知名度以上に、ITコンサルタントとしてどのようなプロジェクトで、どのような仕事をしていて、どのような実績を残したかが重要です。

②役員や部長クラスで事業会社へ転職する

(お客様から依頼を受けてシステム開発を行うような)クライアントワーク以外のビジネスを展開し、実際に独自に事業やサービスを展開する会社をここでは「事業会社」と呼びます。

ITコンサルタントの経験を活かして、事業会社の役員や部長クラスで転職できる可能性は高いと言えるでしょう。ITコンサルタントの市場価値は高く、コンサルティングファーム出身であることで、知名度がある事業会社の役員や部長クラスの職位で転職するチャンスを増やすことができます。

事業会社に転職をして、経営陣として経営企画や事業戦略、プロジェクト全体のマネジメントに関わる仕事をする道も一般的な選択肢になりつつあります。

③フリーランスや業務委託で独立する

フリーランスのITコンサルタントとして独立した場合、案件紹介のエージェントを使えば仕事を獲得できる機会が多くあるでしょう。

ITコンサルタントの案件単価は高く、平均的な単価の相場は税抜120万〜200万円(幅がありますが)、難易度が高く大規模なプロジェクトだと単価が月200万円を超える場合もあります。

また、最近はあまりにITコンサルタントが不足しているため、週3〜4日で参画できる案件も一定数あります。人によっては、1年で8〜9か月だけ働いた上で、残りの数か月は家族とのんびり過ごしたり、海外で長期滞在をするといったこともできます。

一方でフリーランスエンジニアの場合は、技術選定を担当するようなレベルの高い人でも90万円(税抜き)まで到達する人は少なく、一般的には開発経験3〜5年で60〜75万円(税抜)くらいの間で落ち着く人が多いです。

また、週3〜4日で参画できる案件では極めて高い技術力を求められるため、エンジニアがフリーランスとして活動していて、このような案件を見つけることはあまり現実的ではありません。よく一部の案件紹介のエージェントが週3〜4日稼働の案件で募集を行っていますが、実際にはエンジニアが想像するより遥かに高い受け入れ基準が設定されていることが多く、あくまでフリーランスエンジニアを集めるためにこのような打ち出しで募集を行っていることがほとんどです。

このようにフリーランスの場合でもITコンサルタントの方が単価は高い傾向にあります。

また、最近はコンサルティングファームも人材不足のため、フリーランスのITコンサルタントにリモートワーク主体で週3〜4日勤務の業務委託を依頼する、というケースも増えています。業務委託で仕事をしながら、自分のビジネスやネットワーク作りに励むこともできるでしょう。

④起業する

大手のコンサルティングファームに勤務していると、仕事をするうえで社員として働くよりも仲間内で起業するといった選択肢を選ぶ人もいます。その背景としては主に三つあります。

(1)大手のコンサルティングファーム(特にBIG4やアクセンチュア)だとマネージャー以上になると営業活動のノルマ・目標数字が発生することが多い
-具体的には年間でこの金額の案件を受注しないといけないといった状況がしばしば発生し、営業活動のための資料作成等に追われることになるため、本来の意味でのITコンサルタントの業務に専念したいと思う人が多く出てきます。

(2)コンサルタント業務以外に時間を取られる
-ビジネスパーソンとして完成されている人だと、上司や所属企業から評価される人事評価などに時間を取られることに煩わしさを感じるケースが出てきます。

(3)第三者的な立場ではなく、自ら事業を作りたいと思う
-所属企業に社員として所属する以上、あくまでサービス・事業を運営する企業の第三者的な立場としてアドバイスのみを行うため、自ら事業を作りたいと思う人がかなりの割合で出てきます。起業のパターンとしては、自分が働きやすいと思える独自のコンサルティングファームを作るパターンや、もともとあった開発の知識を活かして開発会社を立ち上げるパターン、もともと興味があった業界に関連した自社のサービスを事業会社として立ち上げるパターンなどが挙げられます。

ITコンサルタントに転職するデメリットは?

ここまで、ITコンサルタントに転職することによって、キャリアの選択肢が広がるメリットについて詳しくご紹介してきました。しかし、多くの仕事と同様に、やはりデメリットもあります。

ここからは、ITコンサルタントに転職するデメリットについても解説します。

①所属する企業やプロジェクトによっては残業が多くなることもある
②自ら事業やサービスを当事者として立ち上げる経験を積むことは難しい
③仕事についていけず1〜2年で離職する可能性がある

①所属する企業やプロジェクトによっては残業が多くなることもある

現在、コンサルティングファームでは残業が月に40〜45時間以内に抑えるように残業規制がかなり進んでいますが、企業・プロジェクトによってはサービス残業が発生しているところも一部あるようです。

入社する前に入社を検討しているコンサルティングファームの働き方の実態について、現場で働いているコンサルタントも含めてしっかりとヒアリングすることで、このような企業や環境を選ぶことを避けられます。

②自ら事業やサービスを当事者として立ち上げる経験を積むことは難しい

コンサルティングファームのそもそものビジネスモデルが、事業の立ち上げ・業務効率化によるコスト削減・ITシステムの導入による事業やサービスのさらなる成長などを第三者的な立場でアドバイス・支援する点にあります。

この点を考慮すると事業やサービスを運営するにあたって、最終的な意思決定を行うのは支援を受ける側の事業会社の社長・役員・部長などです。

どんなに良いアドバイスをしたとしても、そのアドバイス通りに実行されるとは限らないため、ITコンサルタントとして働く中で自ら事業会社の中の社員として働いたり、起業によって自ら事業・サービスを立ち上げたいと思う人は少なくありません。

③仕事についていけず1〜2年で離職する可能性がある

クライアント企業からすると、1人のITコンサルタント(アナリスト~コンサルタントくらいの職位の若手コンサルタント)に対して月の単価として税抜きで120万〜200万円くらいのコストを支払っていることが多く、ITコンサルタントの仕事に対する期待値は非常に高くなります。

短期間で資料作成を依頼されたり、スケジュールを詰め込まれるだけでなく、求められるアウトプットについても非常に高いレベルとなります。コンサルティングファームの業界での経験が浅く、クライアント企業の期待値を上手にコントロールできないと最初は苦労することもあるかもしれません。

※自分のスキルや経験に合ったコンサルティングファームを選べば1〜2年で離職するリスクは大幅に減少させられます。もし、コンサルティングファームへの転職に少しでも興味のある方は弊社にて失敗しない企業選びや立ち回りについてアドバイスが可能ですので、下記よりお問い合わせください。

ITコンサルタントへの転職が自分に合うかがポイント

エンジニアからITコンサルタントへの転職について、転職に挑戦するおすすめのタイミングや、メリット・デメリットについてご紹介しました。

エンジニアとして働き続けるよりも200万〜300万円ほど年収を上げられる可能性が高く、コンサルティングファームで働くことで選択肢に入るキャリアパスも飛躍的に増えます。以上の点を考慮すると、ITコンサルタントに挑戦する価値は十分にあると考えられます。

一方で働き方の面などで人によってマッチするかどうかは大きく分かれる業界でもあります。
本記事が、エンジニアからITコンサルタントに転職することが自分に合うのか、幸せなのか、ということを考える参考になりましたら幸いです。

キャリアアップのため転職を考えるエンジニアの皆様へ

株式会社キッカケクリエイション
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毛呂淳一朗(Moro Junichiro)
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