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テストエンジニアが「やめとけ」と言われる理由と成功のキャリア戦略

「テストエンジニアなんだけど、やめとけって言われる理由を知りたい」

「テストエンジニアになりたいと考えていても、やめとけと言われるから不安」

このように感じている方は多くいます。実際、テストエンジニアと検索すると「やめとけ」と出ることも多く、不安になるのも仕方ありません。

そこで今回は「テストエンジニアが、やめとけと言われる理由」を紹介します。「テストエンジニアに向いている人の特徴」や「キャリア戦略」についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

テストエンジニアが「やめとけ」「将来性がない」と言われる理由

テストエンジニアが「やめとけ」「将来性ない」と言われる理由

単純作業が多い

テストエンジニアは「やめとけ」「将来性がない」と言われている理由の1つに、業務内容があります。テスト仕様書に従った動作確認やバグの再現作業など、決められた手順を繰り返す単純作業が大半を占めるためです。

また、近年は生成AIやテスト自動化ツールによって手動テストが代替され始めています。テスト仕様書通りにしか動けない、テストコードの粒度や自動化戦略について自分の言葉で説明できない作業員に近い働き方をしていると、キャリアの停滞のリスクはますます高まってしまうでしょう

下流工程で収入アップが難しい

テストエンジニアが担当する開発工程の最終段階であるテスト工程は、単価が低く設定されることが多く、経験を積んでも大幅な昇給がほとんど見込めません。将来性の面で大きな期待はできないと考えて良いでしょう。

実際、要件定義や設計といった上流工程は高単価で評価される一方、テスト工程は最後の品質確認として扱われ、プロジェクト予算の中でも低めに設定されがちです。他のエンジニア職と比べても、収入アップの面では期待がしにくい職種と言えます

キャリアアップがしにくい

テストエンジニアが担うテスト業務だけでは、設計や開発スキルが身に付きにくく、上流工程への移行が困難です。

実際、テスト実行業務に従事していても、システム設計の思想やアーキテクチャ、コーディング技術といった開発の核となるスキルを習得する機会がほとんどありません。

そのため、5年以上テストエンジニアとして働いても、テストしかできないという評価に留まり、要件定義や設計を担当する上流工程へのキャリアアップは難しいでしょう

納期が厳しい場合が多い

テストエンジニアが担うテスト工程は、開発遅延のしわ寄せが集中しやすい部分です。そのため、短期間で大量のテストケースをこなす場合があります。

また、プロジェクトの最終工程であるテストは、上流の要件定義や設計、開発の遅延を吸収する「バッファ」として扱われやすい工程です。例えば、本来2週間必要なテストが3日に短縮され、深夜残業や休日出勤で対応するといったケースが該当します。

その一方で「品質は担保しろ」というプレッシャーも強いため、過酷な労働環境になる場合があります。

コミュニケーションがしんどい

開発チームにバグを報告する際に険悪な雰囲気になったり、仕様の曖昧さについて関係者との調整が必要になったりしやすい点も、テストエンジニアがやめとけと言われる理由の1つです。板挟みになりやすい仕事であるため、対人関係のストレス面でも注意する必要があります。

バグを報告する都合上、気を遣うあまりどうしても対人ストレスが蓄積してしまいます。こうした点から結果的に精神的に疲弊してしまうのも、テストエンジニアがやめとけと言われる要因です。

裁量が少ないのに責任は大きい

実際の現場ではテスト計画や仕様が既に決定されているため、テストエンジニアには裁量がほとんどない点も、やめとけと言われる理由の1つです。一方で、バグの見落としはプロダクトの品質問題に直結するため、場合によっては重い責任を負わされる可能性があります

多くの場合、テスト内容や工程に関してテストエンジニアができる範囲は決まっています。その限られた条件下でバグを見逃せば、厳しく責任を追及されます。裁量が少ないが責任が大きいという理不尽さがあるのです。

業務開発支援ツールや自動化ツールによって手動テストの需要が縮小している

テストエンジニアが担う手動テストの業務が、SeleniumやAppiumなどのテスト自動化ツールの普及により、ツールに置き換えられつつあるのも、将来性を危惧される理由の1つです。単純なテストエンジニアの需要が減少する可能性があります

繰り返し実行される回帰テストや画面遷移の確認といった定型的なテスト作業は、自動化ツールで効率的に実施が可能です。導入コストも下がっているため、移行は難しくありません。需要縮小だけでなく、テストエンジニアの役割が根本的に問われ始めています。

テストエンジニアが「やめとけ」と言われても働くメリット

テストエンジニアが「やめとけ」と言われても働くメリット

最新技術に触れる機会が多い

テストエンジニアはAIによるテスト自動化ツールや、継続的インデグレーションツールなど、新しい技術を身に付ける機会が豊富です。さらに実務で応用できるため、スキルアップにも期待できます。

業務を単なるテストと割り切るのではなく、最新技術を習得する意識を高く持つ人ほど、成長できます。やる気さえあれば豊富なキャリアアップにつなげられる点は、テストエンジニアとして働くメリットと言えるでしょう。

知識と経験をプログラマーやSEへの転職に役立てられる

テストエンジニアは、業務を通じてシステム全体の構造や仕様、バグの傾向を深く理解できる点もメリットと言えます。知識を活かして、開発エンジニアやSEへのキャリアアップが可能です。

例えば、テストの過程で「どこでバグが発生しやすいか」「どのような設計が品質を下げるか」といった知見を得ていると、開発エンジニアとして設計・実装をする際に役立ちます。

品質を理解した開発者は市場価値が高いため、テストエンジニア経験を強みに高収入のエンジニアへのキャリアも実現できるでしょう。

テストエンジニアに向いている人の特徴

テストエンジニアに向いている人の特徴

バグ探しが好きな人

システムの不具合を見つけ出したり、どうすればバグを再現できるか試行錯誤したりすることを楽しめる人は、テストエンジニアに向いています

特に、「ここをこう操作したら壊れるのではないか」と仮説を立てて検証したり、偶然見つけたバグの再現手順を特定したりといった、過程を楽しめる人には最適です。

また、「なぜこのバグが発生するのか」と原因を深掘りする探究心があれば、開発者に有益な情報を提供でき、品質向上に大きく貢献できるでしょう。

細かいチェックが得意な人

画面の微細な表示崩れや想定外の動作パターンを見逃さず、細部まで注意深く確認できる几帳面さを持つ人もテストエンジニアに向いています。例えば、以下のような項目を見逃さない人です。

  • ボタンの配置が1ピクセルずれている
  • フォントサイズが微妙に違う
  • 特定の操作順序でのみエラーが発生する

こうした他の人が見逃しがちな細かい問題を発見できる観察力は、誰もが持っているものではありません。本番リリース前に致命的なバグを発見できる能力は、テストエンジニアにとって必須です。

マニュアルや指示書を作るのが得意な人

テスト仕様書やバグレポートをわかりやすく整理し、論理的な文章で記述することが得意な人も、テストエンジニアに向いています。

例えば、バグを発見しても、再現手順や期待される動作や実際の動作を明確に記述できなければ、開発者が修正できません。「ログイン後に何か変なエラーが出る」という抽象的な表現ではなく、「ユーザーID:test01、パスワード:pass123でログイン→ダッシュボード画面→設定ボタンクリック時に403エラー表示」といった具体的で再現可能な記述ができるかが重要です

テスト仕様書を論理的に整理し、どの機能をどの順序でテストすべきか明確に文書化できる能力は、テストエンジニアとして大きな強みになるでしょう。

同じことの繰り返しが苦ではない人

類似したテストケースを何度も実行したり、バグの再現作業を繰り返したりすることに苦痛を感じない人も、テストエンジニアに向いています。

例えば、回帰テストでは同じ機能を毎回確認する必要があり、画面遷移やデータ入力といった同じ操作を数十回、数百回と繰り返します。

こうした反復作業を「単調でつまらない」ではなく「確実に品質を保証するための大切な作業」として前向きに捉えられる人は、テストエンジニアとして安定した成果を出せるでしょう

ITが好きで知識の習得が好きな人

新しい技術やツールに興味を持ち、自発的にテスト自動化やプログラミングスキルを学習して、自分の業務範囲を広げていける人もテストエンジニアに向いています。

例えば、手動テストだけに留まらず自動化ツールを学習したり、PythonやJavaScriptでテストコードを書けるようになったりすると、市場価値を高められます。

AIやローコード開発の時代でも生き残れる、付加価値の高いテストエンジニアになるためにも、学習を楽しめるかどうかは重要な素質です

コミュニケーション能力が高い人

開発者や顧客と円滑に連携し、バグの内容をわかりやすく伝え、厳しい指摘も適切なトーンで伝えられる人も、テストエンジニアに向いています。

バグ報告は、開発者に自分の仕事を否定されたと感じさせる可能性がある指摘です。そのため、「ここがバグです」ではなく「こういう操作をすると想定と異なる動作になりますが、仕様でしょうか」といった柔らかい表現で確認できる人は、開発チームとの良好な関係を維持できます。

テストエンジニアが「やめとけ」と言われる状況から抜け出すキャリア戦略

テストエンジニアが「やめとけ」と言われる状況から抜け出すキャリア戦略

開発・技術のプロを目指す

受託開発エンジニアへ転職する

テスト業務で培ったシステム理解力とバグ分析スキルを活かして、受託開発エンジニアに転職するキャリアがあります。設計や実装に携わり、年収とスキルの向上を目指す道です。

テストエンジニアは、様々なシステムの内部構造やデータフロー、APIの仕様を理解しているため、受託開発エンジニアとして設計・実装をする際の基礎知識が既にあります。どこでバグが発生しやすいかも熟知しているため、品質を考慮した堅牢なコードを書けるエンジニアとして活躍できるでしょう。

案件ごとに異なる要件や技術に対応している点から見ても、親和性の高い転職先と言えます。

自社開発エンジニアへ転職する

受託開発のテスト業務から自社サービスの開発エンジニアに転身し、プロダクトの企画から運用まで一貫して関わるキャリアもあります。

自社サービス企業ではテストエンジニアとしての品質視点を持ちながら開発に携われるため、バグの少ない堅牢なコードを書けるエンジニアとして活躍できます

ただし、テストエンジニアが自社開発エンジニアを目指すのは難しい面もあります。下記のようにユーザーが日常的に使用するサービスを個人で開発・運用したり、資格を取得したりといったスキルレベルを判断できる実績は必要です。

  • ToDoアプリや家計簿アプリ等の開発
  • テスト効率化のための社内ツールの開発
  • 小規模なライブラリの公開
  • AWS認定やGoogleCloud認定などの資格

特に自社開発企業は「自走力」と「プロダクト志向」を重視する傾向にあるため、自分でサービスを作った経験が評価されやすいでしょう。小規模でも良いので開発を経験しておくと、転職で有利になる可能性があります。

品質のプロ・マネジメントを目指す

QAエンジニアへ転職する

単純なテスト実行から、品質保証戦略の立案や自動化ツールの導入、プロセス改善など、より上流で戦略的な品質管理業務を担うQAエンジニアにキャリアアップする方法もあります。

QAエンジニアは、テスト計画の策定やテスト自動化の推進など、組織全体の品質向上を担う戦略的ポジションです。テストエンジニアとしての現場経験は、実効性のある品質戦略を立案する際の強力な武器になります

より上流で戦略的な品質管理を担いたい場合は、QAエンジニアへのキャリアも視野に入れてみましょう。

プロジェクトマネージャーへ転職する

テスト工程での調整経験やコミュニケーション能力を活かして、プロジェクト全体の進行管理や品質管理を担うプロジェクトマネージャーになるキャリアもあります。

テストエンジニアは業務上、開発者・顧客・プロダクトマネージャーなど多様な関係者との調整経験が豊富です。こうした対人スキルは、プロジェクトマネージャーで大きく活用できます。また、プロジェクトの最終工程を担当してきたため、納期管理の重要性やリスク管理の視点を深く理解している点も活かせるでしょう。

転職エージェントへ相談する

テストエンジニアとしてのキャリアに悩んでいる場合は、IT業界専門の転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。テストエンジニアとしての市場価値の評価や、スキルを最大限活かせる転職先を提案してもらいながら、戦略的なキャリア形成を描けるようになります

特に、テストエンジニアの経験は、開発エンジニアやQAエンジニア、プロジェクトマネージャーなど多様な職種で評価される一方で、自分一人では判断が難しい面があります。ミスマッチを防ぐためにも、第三者に相談してみると良いでしょう。

もしどのエージェントに相談するかで迷った際は、キッカケエージェントをご活用ください。キッカケエージェントでは、「転職でのミスマッチをゼロにする」をコンセプトに、ITエンジニアに特化したキャリアアドバイザーが技術力やキャリア、収入、ライフワークバランスなど様々な観点からアドバイスしております。

無料でご相談いただけますので、キャリアに迷っているテストエンジニアの方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。

ITエンジニア転職のプロに

まとめ

テストエンジニアは「やめとけ」「将来性がない」と言われることがある一方で、適切な戦略を立てれば充実したキャリアを築ける職種です。

単純作業の多さや下流工程での収入アップの困難さ、キャリアアップのしにくさなど多くの課題がありますが、未経験でも働きやすいなど他職種では得難い強みも存在します。

現状に課題を感じる場合は、受託開発エンジニアや自社開発エンジニアなど様々な選択肢の中から、自分に合ったキャリアを目指してみましょう。難しい場合は転職エージェントに相談し、テストエンジニア経験を最大限に活かせるキャリアパスを見つけてみてください。

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今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、

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上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。

最近はお住まいの場所に限らず応募ができる企業や経験年数に関係なくフラットにご評価をして下さる企業も増えているため、ぜひ一度モロー宛てにご相談を頂けますと幸いです。

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