
ITコンサルタントは、IT技術を活用して企業の経営課題を解決する職種です。業界のなかでも花形の職種であり、開発経験を持つエンジニアが次のキャリアにITコンサルタントを選ぶ場面が多く見られます。
とはいえ、「業務に魅力は感じるものの開発経験がどのように活かせるのかわからない」とITコンサルタントへのキャリアに迷う開発経験者もいるのではないでしょうか。
この記事では、優秀なエンジニアが作るだけの業務に限界を感じる理由から、開発経験がITコンサルタントとして活かせる理由、具体的なキャリアパスまでを解説します。エンジニアからITコンサルタントへキャリアチェンジすべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

エンジニアが「作るだけ」の仕事に限界を感じるのは、自身の業務がビジネスの目的や全体像と切り離されているためです。特にSIerや受託開発では、クライアントから与えられた仕様をただ実装するだけで、その機能がなぜ必要かといった「Why」には関与できません。
このような分業構造では、提案力や課題解決力といった上流スキルを磨く機会を奪い、成長実感を得にくくします。結果として、「もっと本質的な価値を提供したい」という思いが強くなり、コンサルタント職へキャリアチェンジする方は少なくありません。
技術者としての専門性だけでは、キャリアの成長に限界が訪れることがあります。なぜなら、技術トレンドは移り変わりが早く、10年前のスキルでは市場価値を保てないためです。近年はクラウドやAIなど技術革新が今まで以上に早く、スキル一本でキャリア形成をしにくくなっているのです。
さらに、エンジニア職は給与テーブルが固定化されやすく、いくら技術力が高くても、昇級額に上限が存在する場合が多いです。
スキルも給与も頭打ちしやすい背景から、「技術+ビジネススキル」への進化を求めて、ITコンサルタントへ転向するエンジニアが増えている状況です。

SIer出身者は、顧客の抽象的な要望を構造化し、システム要件に落とし込む過程で、高い要件定義力を養っています。この力は、ITコンサルタントに求められる課題推進力と強くリンクします。
複数ステークホルダーの利害調整や、現場の体制を整えて推進する力は、プロジェクトマネジメントや改善提案の現場で高く評価されます。
社内SEは、社内のユーザー部門と経営層の両方と関わるなかで、業務改善やシステム導入を推進してきた経験を持ちます。組織内での調整力や業務理解の深さは、ITコンサルタントとしてクライアントへ入り込み、変革を促す際に大きな武器になります。
特に、システム導入後の現場定着や意識改革にまで踏み込める点が、社内SE経験者の強みです。
Web系エンジニアは、自社プロダクトを通じて、ビジネス成果に結びつく経験をしていることが多いです。現場で培われたグロース思考は、ITコンサルタントがクライアントの利益を最大化するうえで有効です。
例えば、ABテストによる改善提案や、データドリブンな施策立案など、スピード感と柔軟性を持ってPDCAを回す力がITコンサルタントでも役立ちます。

開発経験を持つITコンサルタントは、机上の空論ではなく、現場に落とし込める実現可能な戦略を描けます。技術的制約やシステムの構成を理解しているからこそ、ビジネスサイドの要求を叶えつつ、開発負荷やスケジュールの現実性も考慮した提案できる点が強みとなります。
例えば、業務効率化のためにAIを導入したいという要望があっても、実際にはデータ整備やモデルの運用環境に課題があるケースが少なくありません。
DXが加速するなかで、技術に明るい戦略家が不足しています。経営課題を理解しながらも、技術的な裏付けを持って提案できる人材は限られており、開発経験を持つITコンサルタントの価値が高まっている状況です。
開発経験のあるITコンサルタントは、クライアントと現場の乖離を防ぐために、要求を言語化して伝えられます。例えば、製造業のスマートファクトリー化において、IoTやセンサー技術の実装には専門的な知識が必要です。
近年、アジャイル開発が主流となり、戦略と開発の境界が曖昧になっています。従来は「コンサル=戦略提案」「エンジニア=実装担当」と役割分担が明確でしたが、今はスプリント単位で改善と実行を繰り返すプロジェクトが増えています。
環境の変化に対応するには、戦略を描くだけでなく、その場で実装方針や技術的制約を判断できる視点が不可欠です。例えば、スタートアップ支援においては、限られた期間でプロダクトのMVPをリリースする必要があり、技術的な判断が即時に求められます。

要件定義から設計・開発・テスト・運用まで、開発工程の全体像を経験しているITコンサルタントは、現実的なプロジェクト設計ができます。工数の見積もりやリソース配分において、理論値ではなく現場感を持った判断ができ、クライアントとエンジニアの足並みを揃えられます。
例えば、大規模なERPの導入において、構築だけでなくデータ移行やユーザー教育まで含めたスケジュールを適切に組めるのは、実務を知るからこそです。開発経験がないと、工程の見落としや過剰な楽観見積もりが発生しやすく、プロジェクトが頓挫するリスクが高まります。
技術選定は、ITコンサルティングにおける重要な業務の一つです。表面的な情報だけでなく、実際にコードを書き、データベース設計に携わった経験があるかどうかで、判断の質に大きく影響します。
仮に「NoSQLを使えば柔軟なデータ管理ができる」といった提案があったとしても、実際の要件や更新頻度によってはRDBの方が適している場合もあります。開発経験があれば、選定する際の妥当性を自ら検証でき、クライアントに対して最適な選択肢を提示することが可能です。
開発後の運用・保守、そして障害対応まで含めた経験があることで、目に見えないリスクへの感度が高くなります。ITコンサルタントは導入までの支援だけでなく、安定稼働や継続的な改善に関与するケースが増えており、実運用を意識した提案力が問われる場面が増えています。
定期バッチの処理時間が想定以上に伸びた経験がある方なら、設計段階から処理分割やスケジュールの見直しを提案できます。また、過去の障害対応を通じて学んだ、隠れたボトルネックや運用工数の罠にも敏感になり、プロジェクトの初期段階からリスクを最小化する設計を実現できるでしょう。
開発現場で顧客と直接対話し、調整を繰り返してきた経験は、ITコンサルタントとしての大きな武器になります。経営層と現場で温度差がある場面では、両者の意図を汲み取り、最適な落としどころを見つける仲介者としての役割が求められます。
例えば、経営層が「来期に業務自動化を完了したい」と求めていても、開発現場の人材やリソースが不足していれば、そのまま進めるのは危険です。開発経験のあるITコンサルタントであれば、現場の実情を正しく理解したうえで、段階的な導入やプロセス見直しを提案できます。

総合系コンサルファームは、戦略・業務・ITといった複数の領域をまたぎながら、クライアントの経営課題に対して多角的にアプローチするファームです。開発経験者の場合、IT戦略の立案や大規模システム導入支援、PMOなど、活躍する場面は多岐にわたります。
例えば、基幹システムを刷新するプロジェクトでは、経営視点でROIを算出しつつ、開発工程における実現性のチェックやベンダー管理まで担うケースがあります。
IT特化型コンサルファームは、IT領域に専門性を持ち、システム構想策定から実行フェーズの支援までを一貫して行うファームです。
開発現場の知識や技術選定の経験をダイレクトに活かしやすい環境です。例えば、クラウド移行プロジェクトでは、インフラ構成の設計だけでなく、移行ツールの選定や既存システムとの互換性検証など、詳細な技術判断が求められます。
事業会社の社内ITコンサルは、自社の経営戦略を実現するためにITをどう活用するかを考え、実行まで推進する役割を担うポジションです。外部のコンサルファームとは異なり、プロジェクトの企画段階から導入・運用・改善まで長期的に関与できる点が特徴です。
開発経験を持つ人材であれば、現場業務の実態を理解しながら、社内の複数部門と連携して業務要件を整理し、現実的なシステム導入計画を立案できます。例えば、営業支援システムの刷新では、既存の業務フローと新システムの機能をすり合わせる調整役として活躍できるでしょう。

ITコンサルタントに転職しても、技術的な知見はむしろ武器となります。特に近年のプロジェクトでは、クラウドやAI、データ基盤など専門性が求められる場面が増えており、開発経験者への期待が高まっている状況です。
また、IT特化型ファームでは、要件定義や技術選定、PoC(概念実証)などで最新技術に関わる機会も多く、技術から完全に離れるわけではありません。
未経験からのスタートでも、戦略思考は現場で十分に身につけられます。多くのITコンサルファームでは、戦略系コンサルタントと連携しながらプロジェクトに参画するため、徐々に視座を高めることが可能です。
開発経験者は、現場に根ざした課題発見力が高いため、戦略と現実がかけ離れていないかを客観的に見極められます。最初から経営の専門家である必要はなく、むしろ実行力のある人材こそ、組織にとって重宝されます。
かつてのコンサル業界は、長時間労働のイメージが強くありましたが、現在は働き方改革が進み、ワークライフバランスを重視する企業も増えています。IT特化型や社内コンサルの場合、業務の繁閑が比較的読みやすく、無理のないスケジュールで進行するプロジェクトも少なくありません。
Up or Outの評価制度も一部企業に限られており、多くは実力と成長に応じた柔軟なキャリア設計ができます。過去のイメージにとらわれず、各社の実態を見極めることが重要です。
開発経験は、問題解決に向けた実行力をアピールする手段となります。経験を伝える際は、単なる技術スタックではなく、「なぜその設計を選んだか」「どのような課題を乗り越えたか」といった部分にフォーカスしましょう。
例えば、仕様の不明確さを整理して開発を進めた経験は、ITコンサルタントの要件定義や顧客折衝に活かせます。また、システム障害への対応や改善提案も、リスク管理や業務改善力として評価されやすいポイントです。
近年、クラウドやAI、 IoTなどの技術革新が進むなかで、開発経験を持つITコンサルタントの需要は高まっています。総合系コンサルティングファームや事業会社の社内ITコンサルなど、開発経験を持つITコンサルタントが活躍する場面は多岐にわたります。
とはいえ、エンジニアからITコンサルタントを目指す方は多く、適切な転職対策を進めなければ、内定を得ることは難しい状況です。そのため、「転職活動に不安がある」「自分に合う働き方でITコンサルタントを目指したい」という方は、エンジニアの転職支援を得意とするキッカケエージェントへ、ぜひご相談ください。的確なキャリアアドバイスを通じて、理想とする働き方を実現するサポートをします。
今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、
①技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
②興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方
上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。
最近はお住まいの場所に限らず応募ができる企業や経験年数に関係なくフラットにご評価をして下さる企業も増えているため、ぜひ一度モロー宛てにご相談を頂けますと幸いです。