ITコンサルタントは、ITを活用してクライアントの経営課題を解決する職種です。コンサルティングファームや事業会社など、さまざまな企業で花形職種として人気があります。
一方で、働き方や業界事情、キャリアの観点から「ITコンサルタントはやめとけ」と言われることが少なくありません。
この記事では、ITコンサルタントはやめとけと言われる理由から目指すメリット・魅力や向いている人の特徴までを解説します。
目次
ITコンサルタントはやめとけと言われる大きな理由として、長時間労働が常態化していることが挙げられます。労働時間は勤め先や時期によって異なるものの、1日に4時間以上残業することも珍しくありません。
例えば、打ち合わせが夕方にあるときは、その後に議事録や提案資料を作成することが多く、深夜まで帰宅できないときがあります。厳しい納期のプロジェクトでは、平日に残業するだけではタスクが追いつかず、休日出勤する場面も出てきます。
また、帰宅後も調べ物をしたり業務に必要なスキルを学んだりと、仕事中心のライフスタイルになりやすいことを知っておきましょう。
ただし、近年では残業時間が月に45時間を超えないように、働き方を見直す企業も増えています。すべてのITコンサルタントが長時間労働になるとは言い切れないため、転職する際は、事前調査や先方と認識のすり合わせをすることが重要です。
IT業界の職種のなかでも、ITコンサルタントは仕事の責任・プレッシャーが重いことで知られています。プロジェクトを成功へ導くことはもちろん、クライアントの経営を左右するポジションのため失敗は許されません。
また、予期せぬトラブルや課題に直面した際には迅速に対応する判断力も求められ、ストレスが常にかかります。
ほかにも、プロジェクトを予算内で遂行したり、タイトな納期に対応したりするなど、さまざまな部分で責任・プレッシャーがかかることを知っておきましょう。
コンサルティング業界では、若手や未経験者を即戦力として扱うケースが多いのが現実です。ITコンサルタントも例外ではなく、入社後、十分な教育を受けていない状態で、先輩と一緒にクライアントへ提案しに行くことが珍しくありません。
理由は、業務が多忙で一人ひとりに手厚く教育できる環境が整っていないためです。先輩の動きを見ながら仕事を覚える必要があり、自ら学ぶ姿勢がない方にとっては辛い働き方となるでしょう。
ITコンサルタントは、ITの知識以外にもさまざまなスキルが求められます。経営幹部へプロジェクトを提案するために資料やドキュメントを作成したり、物事を論理的にわかりやすく伝えたりするスキルが欠かせません。
また、携わる業界の事情を学んだり、プロジェクトマネジメント力を磨いたりする必要もあります。プライベートの時間を割きながら学び続ける必要があるため、ワークライフバランスを求める方にとってはストレスになる働き方となります。
ITコンサルタントは、粘り強く取り組むべき業務が多く、やめとけと言われています。参画するプロジェクトによっては、スケジュールや予算が折り合わず、クライアントに振り回されることがあります。
ときには、クライアントの声に耳を傾けながら丁寧な提案をしても、プロジェクトが不採用になるケースも少なくありません。
ITコンサルタントには、高い専門性と成果が求められます。最新のテクノロジーに関する知識はもちろん、近年では、AIやクラウドといった新技術をどのようにビジネスへ活かすかという知見も求められます。
職業柄、何をやったのかではなく、どのように成果を出したのかを見られるのがITコンサルタントです。常に自分を高めながら成果を出すことにやりがいを持てなければ、続けていけません。
AI技術の発展により、ITコンサルタントは不要と言われ始めています。AI技術の発展は目覚ましく、膨大なデータを分析して提案する力は、人間を凌駕しつつあります。
そのため、分析と提案がメイン業務となっているITコンサルタントの市場価値は、低下するでしょう。今後のITコンサルタントには、経営戦略とIT要素を絡めた提案や最新のテクノロジーを踏まえた実践的な支援など、新たな価値提供が求められます。
サービス内容や成果の見えにくさから、ITコンサルタントは怪しいという印象を持たれることが珍しくありません。
ほかにも、一部のITコンサルタントが成果に直結しない曖昧な提案をくり返すことで、業界そのものを怪しく見る方も多く存在します。コンサルティング業務へ良心的に携わっていても、怪しいというレッテルを貼られる恐れがあるため、やめとけと言われています。
ITコンサルタントは、実績や技術力がなければ生き残れない職種のため、やめとけと言われます。企業によって評価軸は異なるものの、一般的には、次のような項目をもとに昇進・昇給が決まります。
定量評価の例 | ・コンサルティング受注額 ・アップセル率 ・リピート率 ・顧客満足度 など |
定性評価の例 | ・提案力 ・分析力 ・リレーション構築能力 ・ナレッジ共有 など |
成果を出し続けなければ昇進・昇給しない場合がほとんどで、年功序列を求める方にはきつい働き方となるでしょう。
ITコンサルタントは、数ある職種のなかでも、市場価値を維持しにくいと言われています。技術やサービスが進化するスピードが速く、数年前に活かせていたスキルが今では通用しないことがあります。
また、特定の業界・規模のプロジェクトに依存すると、新たな領域に関する対応力が下がるリスクもゼロではありません。自分の価値を適切に高めるために、キャリアプランを戦略的に練ることが重要です。
ITコンサルタントを目指す大きな魅力は、高年収を目指せる点にあります。2021年の経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」によると、ITコンサルタントのオファー年収は次のようになっています。
年齢・経験年数 | オファー年収 |
30歳(4年目) | 1,150万円 |
6〜9年目 | 800万〜1,200万円 |
9年目〜 | 1,200万〜1,500万円 |
ITコンサルタントの年収が高い理由は、高度な専門知識とスキルが求められるためです。特に、前職でIT業界に携わっていた方はさまざまな企業で求められており、高年収を目指しやすくなっています。
なお、4年目より6〜9年目の年収が下降傾向にあるのは、企業が異なることにあると考えられます。ITコンサルタントのなかには、ワークライフバランスやキャリアを見直した結果、4年前後で転職する方が多くいます。
例えば、コンサルティングファームから事業会社へ転職する場合、年収が下がるケースがほとんどです。このキャリアパスで転職した方の約半分が年収ダウンしている状況です。転職先によっては、年収が100万円以上も下がることもあります。
ITコンサルタントは、達成感・やりがいがある仕事です。クライアントと同じ目線に立ち、伴走するなかで経営課題を解決できると、成功を分かち合えます。
ほかにも、自分が立案した施策が形になる過程を見届けられる点も、ITコンサルタントの醍醐味の一つです。日々の業務は大変でも、プロジェクトを成し遂げたときの達成感に大きな魅力を感じるITコンサルタントは少なくありません。
ITコンサルタントは、さまざまなスキルが求められる職種であるため、数多くのポジションで経験を活かせます。将来の選択肢も広がりやすく、主に、次のようなキャリアパスがあります。
一般的な職種では昇進や転職でキャリアを広げることしかできません。しかし、ITコンサルタントであれば、独立や起業といった自分の力で事業を広げるキャリアも選べます。多様なキャリアを選択できる点は、ITコンサルタントの魅力の一つです。
ITコンサルタントの魅力として、クライアントの経営面に携われることも挙げられます。プロジェクトを提案する際、IT戦略はもちろん、事業戦略や組織戦略などを踏まえることがほとんどです。
企業の上流工程に携わる経験を積めるのは、ITコンサルタントをはじめとしたごく一部の専門職に限られています。自分の市場価値を高めることにも繋がり、中長期的なキャリア形成を考えると大きなアドバンテージとなります。
ITコンサルタントとして働く魅力は、常に成長を実感できることです。決まったルーティンワークは存在せず、クライアントの課題解決に向けて、日常的に経済や経営、IT技術の新情報をキャッチアップし続ける必要があります。
日々の学びを通じて、例えば、フレームワークの活用が容易になったり、後輩へ適切な指導ができるようになったりすると成長を実感できます。変化が早く常に学びが求められる環境だからこそ、ITコンサルタントは成長機会が多い職種です。
ITコンサルタントを目指すうえで、スキルや経験、特性は重要です。しかし、スキルセットよりも、クライアントへどのように貢献できるのかといった、顧客ファーストなマインドが何よりも大切なことを知っておきましょう。
そのため、クライアントへ価値提供する思いが強い方で、上記のいずれか一つでも該当する資質がある場合は、業界に飛び込むことをおすすめします。働き方が自分に合うかどうかは、実際にやってみなければわかりません。
ITコンサルタントの働き方をもっと深く知りたい方は、下記のボタンからITエンジニア専門の転職エージェントであるキッカケエージェントにご相談ください。
ITコンサルタントは提案した事柄に対して、クライアントから成果を求められます。ときには、納期スピードや理不尽な提案に耳を傾けて、最善策をとる必要があります。そのため、スキルや経験が豊富にあったとしても、自分のペース・価値基準のみで仕事を進める方には向いていません。
IT業界に関する職種は、ITコンサルタント以外にも多数あります。「ITコンサルタントになることが合わないかもしれない」と思う場合、まずは、キッカケエージェントを活用しながら自身のキャリアを明確にすることから始めてみてはいかがでしょうか。
近年では、DX推進や業務改革に対するニーズが高まっている、かつIT人材が不足しているといった背景から、ITコンサルタントの需要が高まっています。
特に、人材不足に困るセキュリティベンダーやITベンダーは多くあります。実際に、経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、コンサルティング業務に従事する人材の不足を感じている企業の割合は90%以上であり、ITコンサルタントの需要が高いことがうかがえます。
特に、戦略を立てることが上手い・データサイエンティスト系の資質があるといった特徴があると、市場価値は高まりやすいでしょう。
ITコンサルタントとして成功するためには、知識を常に高めながら、クライアントをハンドリングする力が必須です。上記のスキルは業務を通じて学ぶほか、読書やセミナーを通じて身につけることがおすすめです。
ITコンサルタントを目指すべきか迷う方は、転職エージェントへ相談することがおすすめです。転職エージェントでは、相談から対策まで転職に関する支援をすべて受けられます。
なかでも、キッカケエージェントは「転職でのミスマッチをゼロにする」というコンセプトをもとに、ITエンジニアの転職支援に特化しているエージェントです。ITコンサルタントの働き方やキャリアも相談できますので、ぜひ一度、お問い合わせください。
ITコンサルタントは長時間労働が強いられる・高い専門性と成果が求められるなどといった観点から、やめとけと言われることがあります。
しかし、高年収を目指せる・仕事に達成感ややりがいがあるといった魅力が多いことも事実です。そのため、世間のイメージほど、ITコンサルタントの働き方が悪いとは言い切れません。
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今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、
①技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
②興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方
上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。
最近はお住まいの場所に限らず応募ができる企業や経験年数に関係なくフラットにご評価をして下さる企業も増えているため、ぜひ一度モロー宛てにご相談を頂けますと幸いです。