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金融系SIerはなぜやめとけと言われる?転職するメリットを解説

「金融系SIerはブラックなの?」「企業選びで失敗したくない」

金融系SIerに興味があるものの、責任が重く残業も多いイメージから転職を踏みとどまっている方も見受けられます。一方で、経営基盤が安定しており収入アップも見込めるなど、メリットも多いです。

本記事では、金融系SIerの実態をわかりやすく解説し、優良な金融系SIer企業から内定をもらうコツについても解説します。また、キッカケエージェントでは、企業の紹介や応募書類の添削、面接対策などのサポートで後悔しない転職が可能です。金融系SIerへの転職を考えている方はご相談ください。

金融系SIer転職のプロに

金融系SIerがやめとけ・きついと言われる理由は?

金融系SIerがやめとけ・きついと言われる理由は?

仕事内容が限定的

金融系SIerの現場はウォーターフォール型開発が中心で、大規模なプロジェクトを扱うケースが一般的です。規模が拡大するほど業務は細分化され、担当領域が限定されがちです。たとえばPMはコードを書かないどころか設計レビューすら関与できないケースもあります。

結果的に幅広い技術経験を積む機会が乏しく、「特定の役割のみ」を与えられる状態に陥りやすい点が問題です。さらに自社サービス開発のように利用者からのフィードバックによって改善を重ねる実感は得にくく、物作りに深く携わる充実感を味わいにくいのも特徴です。保険系システムのリプレースやFinTechの企画など業務範囲は広い一方で、常に顧客課題の解決が優先されるため、自分の成長実感につながりにくくなります。

近年では技術力が高く、設計レビューやコードレビュー、時には自らコーディングに携わるPMも存在するSIerも現れています。また、自社プロダクト開発に力を入れ、モダンな技術や開発手法を取り入れる大手SIerもあるため、比較すると金融系SIerは技術の伸びしろが限定的に思われがちです。

重要な情報を取り扱うため責任が重い

金融系SIerはオンライン決済やクレジット決済など直接お金に関わる領域を担います。企業情報や顧客データも対象であり、セキュリティリスクを伴うため一切のミスが許されません。したがってチェック工程は極めて厳格で、システム障害が起これば企業の信用問題に直結します。

また、24時間365日体制で稼働する職場も多く、精神的な負担が大きくなりがちです。責任の重さが常に付きまとい、緊張感の高い環境で働くことになります。

残業が多くなりがち

テスト工程で不具合が発生した場合、リリース日を守るために夜遅くまで作業が続く場合もあります。大手の金融系SIerでは月40~50時間、酷い場合は60~80時間の残業が常態化する事例もありました。加えて顧客のITリテラシーが低いと、不要な書類作成や形式的な説明に時間を取られる傾向があります。

改善提案が受け入れられにくい環境では、効率的な働き方が困難です。さらに日本の厳しい解雇規制が直接雇用を難しくしている背景もあり、多くの企業がSIerに依存する構造が続いています。結果として現場の業務量が増え、長時間労働につながりやすいです。

技術スタックが古くなりがち

金融機関では安定稼働が最優先であり、一度導入した基幹システムは10年以上使われることも珍しくありません。COBOLや古いJava環境、オンプレミスの巨大サーバが主流で、最新技術に触れる機会は限られます。

クラウドやコンテナなどのモダンな技術を経験できず、市場価値が陳腐化するリスクも高い点は大きな懸念点です。加えて開発より保守・運用が中心になりやすく、新しい技術を習得する機会は乏しくなります。転職市場では「古いシステムに閉じ込められていた人材」と評価される可能性があり、キャリア形成における柔軟性を失う危険性があります。

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金融系SIerが向いている人・向いていない人

金融系SIerが向いている人・向いていない人

向いてる人

  • 大規模システムの開発が得意な人
  • 論理的な思考力とドキュメント作成能力がある人
  • 手厚い教育・サポート環境を求める人
  • プロジェクトマネジメント・顧客折衝への志向がある人
  • コミュニケーション能力の高い人

金融系SIerではウォーターフォール型の大規模開発が主流です。したがって、大規模なシステムや堅牢な金融システム開発など、安定運用や手順厳守を重視する方には向いています。また、論理的に話を組み立て、緻密なドキュメントや設計書を作成するスキルはSIerを通じて鍛えられます。論理的な思考力がある方にもマッチする可能性が高いです。

また、金融系のなかでも大手SIerは教育体制が充実している場合は多く、「適度な教育・サポートが欲しい」と考える方にも向いています。金融系SIerではユーザーへのヒアリングや、PMやPLとしてマネジメント業務を行う機会も多いです。折衝経験を積みたい方やコミュニケーションスキルを伸ばしたい方にも金融系SIerは向いています。

向いていない人

  • 最新技術の追求や自社プロダクト開発への意欲が高い人
  • スピード感と裁量を求める人
  • 漠然としたキャリア志向の人
  • 転職回数が多い人やフリーランス経験者

技術選定から関与したかったり、最新のWeb系技術に触れたかったりする方には、金融系SIerは向いていません。理由は業務範囲が限定的になりがちな金融系SIerの環境を物足りなく感じてしまうためです。短期間でPMやテックリード経験を積みたい方も、金融系SIerのスピード感を遅く感じがちで向いていません。

また、金融系でも特に大手SIerは転職回数を気にしたり、フリーランス経験者を社員として採用したがらなかったりする傾向が強いです。したがって、ジョブホッパーの方や一度フリーランスになった方は、採用ハードルが高くなります。

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金融系SIerに入社するメリット

金融系SIerに入社するメリット

経営基盤が安定している

大手金融グループのSIerは、親会社の経営基盤が極めて安定しています。金融業界自体が景気変動の影響を受けにくく、グループ全体での資金力や信用力が高いため、経営危機に陥るリスクは非常に低いです。

長期的に安定した環境で働けることは、キャリアを築く上で大きな安心材料となります。腰を据えて経験を積みたい方にとっては強い魅力です。

年収アップが期待できる

金融系SIerは年収水準が高い傾向にあり、30歳で年収1000万~1100万円を実現できる企業も存在します。若手エンジニアであっても、開発や設計・構築経験が数年あれば年収550万~600万円スタートは珍しくありません

さらに、同じSIer間の転職でも100万~150万円、場合によっては200万円以上の年収アップを狙えるチャンスがあります。コンサルティングファームに進まなくても、SIer内で年収アップが可能です。

キャリアで大きな武器となる経験ができる

金融系SIerでは、大規模プロジェクトに携わる機会が豊富です。1億円規模や25~50人月規模の案件でPMやPLを務めることで、マネジメント経験を早期に積めます。加えて、近年は技術志向のSIerも増え、AWSやPython、Goなどモダンな技術を駆使するプロジェクトに関わるケースもあります。テックリードや技術選定から携わるポジションも用意されており、エンジニアとしての専門性を高めやすい環境です

また、マネジメント職だけでなくスペシャリストとしてのキャリアパスも整備されており、技術を極める道も選択可能です。さらに、SIerでの研修やプロジェクト経験は、以下のような社会人としての基礎力向上にも直結します。

  • 論理的思考力
  • 課題解決力
  • ドキュメント作成能力
  • 顧客折衝スキル

結果的にどの業界に進んでも強力な武器となる経験が得られます。

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優良な金融系SIer企業から内定をもらうコツ

優良な金融系SIer企業から内定をもらうコツ

IT業界特化のエージェントに企業選びのサポートをしてもらう

金融系SIerの転職は情報戦です。求人票だけでは企業の実態を把握できず、採用基準や年収レンジ、部署ごとの仕事内容、社内のITリテラシー水準などの内部事情は表に出ません。IT業界特化のエージェントでは、内部事情を正確に押さえているので積極的に活用しましょう。

特に「キッカケエージェント」は金融SIerに強みを持ち、応募者に最適な企業を見極めて提案します。さらに、面接で聞かれる質問や評価ポイントを熟知しており、個別の対策が可能です。加えて年収交渉の実績も豊富で、スキルに見合った最大限の待遇を引き出せる点は大きな強みです。

金融系SIer転職のプロに

求められるスキルや経験を身につけ特別スカウトをもらう

金融系SIerで評価される人材になるには、戦略的に経験を積み、市場価値を高める必要があります。特に35歳までにプロジェクトリーダーとして、2,000万~4,000万円規模のシステム要件定義を主導できるレベルへの到達が理想です。最低でも5名規模のチームでタスク切り出しや進捗管理を2年以上経験が望まれます。

また、詳細設計以降だけでは不十分で、基本設計以上のフェーズに携わる経験が必須です。要件定義から設計、開発、テストまで一連の流れを担当した実績があれば、特別スカウトや高待遇のオファーにつながりやすくなります。

選考通過のため応募書類や面接の準備をする

スキルが十分でも、書類や面接で自己PRを誤ると不採用になります。まず、職務経歴書は自ら工夫したことや困難を乗り越えた経験について具体的に盛り込み、常に最新に保ちましょう。さらに面接では「なぜその設計を選んだのか」などの質問が多く、受け身の回答では評価されません。自分の考えを明確に持ち、論理的に説明する力が求められます

加えて「事業や組織にどう貢献できるか」を語る姿勢が評価を高めます。金融系のなかでも特に大手SIerは選考基準が厳しいため、企業ごとの徹底した面接対策が必須です。

金融系SIerのよくある質問

金融系SIerに求められるスキルや資格は?

【前提】年代ごとに求められるスキルは異なる

前提として、年齢ごとに求められるスキルは異なります。具体的に年齢ごとに求められるスキルの一例は以下の通りです。

年代求められる経験やスキル
20代・JavaやC#での開発経験3年以上
・インフラ/クラウド設計や構築経験2年以上
・現場リーダー経験は必須でないケースあり
30代・要件定義経験
・25~50人月規模を一人で回せるPL経験
・進捗管理やチームリーダー経験
40代・150~200人月以上のプロジェクトPM経験
・7~10名規模のマネジメント経験2年以上
・高い顧客折衝スキルと戦略的判断力

マネジメントや顧客折衝能力

金融系SIerでは、プロジェクトを円滑に進めるためのマネジメント力と顧客折衝力が重視されます。納期調整や予算交渉は日常業務であり、エンジニアリングスキルだけでなく、顧客に納得してもらえる説明力や交渉力も求められます

マネジメントや顧客折衝能力に加えてコミュニケーションスキルはプロジェクト全体の成功を左右するため、キャリアを積むなかで必ず鍛えておくべきスキルです。

クラウド関連資格や国家資格

金融系SIerにおいて資格は評価に直結します。特にAWS認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP)などクラウド系の上位資格は、設計や構築案件で強い武器です。

さらに、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などの国家資格も、基礎力を示すものとして評価対象となります。資格は知識の証明にとどまらず、営業や案件獲得時の信頼材料となる点も特徴です

ドキュメント作成スキル

金融系SIerでは大量のドキュメントを作成します。要件定義書や設計書、テスト仕様書などは品質を左右する重要な成果物です。わかりやすく体系的なドキュメントを作成する力は、エンジニアとしての信頼につながります

加えて、論理的に整理された資料を扱える力は、万が一金融系SIerからITコンサルタントや事業会社に転職する場合でも活かせる普遍的なスキルです。将来的に転職市場価値を高めたいなら、論理的に資料をまとめる力について伸ばしておきましょう。

金融系SIerでブラックな企業の特徴は?

金融系SIerでブラックな企業の特徴は?

社長や役員が長時間労働を好む企業

経営層が長時間労働を好む企業では、残業が常態化します。トップが「働く時間の長さ」を評価基準にしているため、効率的な働き方やワークライフバランスは軽視されがちです。

結果的に、社員全体に過度な負担がかかり、心身の健康を損なうリスクが高まります

不要な資料作成や説明業務が多い企業

顧客のITリテラシーが低い場合、必要以上に詳細な資料を作らされたり、繰り返し説明を求められたりするケースがあります。

本来注力すべき要件定義や開発の時間が削られ、スキルについて磨く機会を失いかねません。資料作成や説明業務に多くの時間が割かれる環境では経験の幅が広がらず、キャリア形成にも悪影響が出ます。

他エンジニアのサポートや教育に時間を取られる企業

一緒に働くエンジニアのスキルが低いと、サポートや教育に多くの時間を割かなければなりません。結果的に自身の成長につながる実務経験が積めず、キャリアアップが遅れます

加えて業務進行も滞り残業が増えるため、モチベーションも低下しやすい環境となります。

短納期案件ばかりで品質を軽視しがちな企業

小規模で短納期の案件ばかりを抱える企業では、スピードが優先され品質は後回しにされる傾向があります。

リーダーとしてチームを率いる経験や、顧客視点でプロジェクト全体を考える経験が積めず、キャリア形成の幅が狭まります。成長につながらない案件ばかりに追われる状況は、長期的なキャリア形成では不利です。

具体的なキャリアパスを提案できない企業

採用担当が「3~5年後にどのようなキャリアを歩めるか」を具体的に説明できない企業は、社員の将来像を真剣に考えていない可能性が高いです。

キャリアパスを示せない企業では、配属先や役割が場当たり的になりやすく、スキルアップや昇進の道筋が見えなくなります。結果として長期的なキャリア形成が阻害されます。

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まとめ

金融系SIerのキャリアは「きつい」「やめとけ」と語られる一方で、安定した経営基盤や高年収のチャンス、大規模プロジェクトでの実践経験など大きなメリットがあります。特に20代にはポテンシャル採用の枠も多く、戦略的にキャリアを形成する絶好のタイミングです。

転職を成功させるには、常に市場価値を把握し、自社と他社を「年収」「年収の伸び幅」「積める経験」の3軸で比較する姿勢が欠かせません。また、良い求人はすぐに締め切られるため、職務経歴書は常に最新状態に整える必要があります。さらに、日常業務では「なぜこの仕事をするのか」を掘り下げ、自分なりの考えを持って主体的に取り組む習慣が、面接での評価につながります。

そして最大の鍵は情報戦に勝つことです。求人票からは見えない内部事情、年収交渉のノウハウ、企業ごとの面接傾向などはIT特化エージェントを通じて入手できます。「キッカケエージェント」では、SIer転職に役立つ「エンジニア転職完全攻略動画」や「SIerキャリアガイドシート」を提供しており、登録者限定で実践的な情報を得られます

現在のキャリアに不安がある方、これからの方向性を見極めたい方は、気軽にキャリア相談を申し込んでください。年齢やスキルに応じた客観的なアドバイスをお伝えし、最適なキャリア選択を全力でサポートします。

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株式会社キッカケクリエイション
ITエンジニア専門のキャリアアドバイザー
毛呂淳一朗(Moro Junichiro)
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今の時点でご経験をされている言語や技術要素に関係なく、

①技術を通じてユーザーやお客様にとって使いやすいサービスの実現に興味があるエンジニアの方
②興味・関心がある技術について自ら学ぶ意欲をお持ちの方

上記に当てはまる方でしたら、素晴らしい企業とのマッチングをお手伝いできる可能性が高いです。

最近はお住まいの場所に限らず応募ができる企業や経験年数に関係なくフラットにご評価をして下さる企業も増えているため、ぜひ一度モロー宛てにご相談を頂けますと幸いです。

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